2019年11月5日
オランウータンのサンドラさんが
アルゼンチンの
「ブエノスアイレス動物園」から
フロリダ州ウォーチュラ保護区
「類人猿センター」に引っ越したことが報道された。
このオランウータンのサンドラは
なんと、人権を認められたオランウータンだということで、
驚きですよね。
他の動物の例はないのかなど
深掘りしてみました。
オランウータンに人権!
今回の移住についての発端は
2014年12月19日の判決による
アルゼンチンの
ブエノスアイレス動物園で
20年にわたり飼育されていた
サンドラ(28才,女)に対して、
アルゼンチンの
動物擁護団体
AFADA「動物の権利を守るための公務員と弁護士の会」
がサンドラの状況に対して、
「不当な監禁状態」に当たるとして、裁判所に提訴、
裁判所がその申し立てを聞き入れ
オランウータンは
「人間ではない人(non-human person)」として
サンドラの人権が認められた
という出来事があったようである。
英語での説明サイト
動物園側としても主張はあるが、
最終的な法廷の判断を無下にすることはできず。
同国の動物の権利のための法律専門家団体「AFADA」は、サンドラは考えや感覚、権利を持つ「非人間」だとして「不当な監禁状態」に対する法的救済措置として「人身」保護令状を請求した。
https://www.afpbb.com/articles/-/3035005
1986年にドイツの動物園で生まれたサンドラがアルゼンチンに来たのは94年。園では内気な性格で知られ、人目に付かない場所に隠れることが多い。これについて動物愛護運動家らは抑うつの兆候だと主張しているが、セステロ氏はAFPに対し、「そうした意見はオランウータンという種の基本的な生態について無知である証拠。オランウータンは単独行動で生きている。習性は非常にリラックスしていておとなしい」と否定している。
また同氏は、この件が裁判沙汰になったことに疑問を呈した。「専門的な視点からいって、生存権と動物の権利はすべての動物にある。(だが)動物の行動を人間化してはいけない。それこそ人間の特徴だ。我々は動物の行動を我々自身に例えたがるが、それは人類の生来の過ちだ」
しばらくの間は
20年間も飼育していた環境から
野生下で生きていくのは不可能という観点から
同動物園で飼育を続けていたが、
2017年に動物園からの移送が決定となり
2019年11月5日
サンドラさんが33才の時に
アメリカのフロリダ州ウォーチュラ保護区
「類人猿センター」へと引っ越しが行われた。
この類人猿センターでは、
オランウータン:22頭
チンパンジー :31頭
が飼育されているようです。
他の動物での例は?
アルゼンチンでも過去に他の動物で
同様の裁判が開かれたことがあるようであるが、
それは全て棄却。
アメリカで2014年12月4日
個人飼育下のチンパンジーに対して
人権を訴える裁判も同様に棄却されているようです。
やはり、
動物の人権は今のところレアケースかとは
思います。
ただ、2015年4月22日に
アメリカの研究施設のチンパンジーに対して
人身保護令状がだされた例や
インドで
クジラ目(イルカなど)を
「人類ではない人」と
公式声明において大臣が認め!
ドルフィンパークなどの閉鎖を行っている例もありました。
イルカは「人類ではない人」だ。その生命と自由の権利は尊重されなければならないとして、インドはシャチやイルカのようなクジラ目の動物たちにこのような特別な地位を公式に認め、これらの動物を飼育するドルフィンパークをすべて閉鎖するように命じた。
https://wired.jp/2013/06/12/dolphin-identified-human/
公式声明で明らかにしたように、インドの環境・森林大臣は、科学がこうした動物たちの知性や感情をはっきりと確認したと説明して、彼らを「一定の権利をもつ人類ではない人」と定義し、こうした動物たちの捕獲や監禁につながるすべての行為を禁止した。
まとめ
オランウータンのサンドラさんは
〇アルゼンチンの裁判で2014年に人権を認められた。
〇2019年11月5日に類人猿センターへ引っ越しが完了。
〇同様に他種の動物の人権が認められる例は今後増えてくるかも。
今回の判例が正しいかどうかは別として
人間と動物との関係性を
今一度見つめ直す必要が出てきているのかもしれないですね。
より深く考えたい人へ
日本語で動物の権利など考えている資料があったので、
見てみるといいですね♪
⇩
動物の権利と人間の人権 山崎将文