2019年10月24日(木)13:05のyahooニュースで
英スコットランドのエディンバラの観光地で
熱画像カメラ(サーモグラフィー)を見た女性が
自分の胸の異常に気付き、
病院を受診
初期の乳がんを検出し、
事なきを得ている。
しかし、
専門家は熱画像カメラ(サーモグラフィー)で
乳がんは発見できないとコメントしている。
本当なのだろうか?
乳がんとは
女性の胸に出来るがんであり、
2018年の情報では、
乳がんによる死亡は
女性のがん関連死の約15%にも上る
とも言われている。
それほどまでに怖い乳がんであるが、
初期に発見することで、
その後5年以上生存できる確率が
90%にもなるということで
早い段階で発見することが大事となる。
熱画像カメラ(サーモグラフィー)で乳がんの検査
熱画像カメラ(サーモグラフィー)は
温度の変化によって
高温の部分は赤、低温の部分は青と
色わけするカメラである。
今回のイギリスでのケースでは
女性が観光地
カメラ・オブスクラと幻想の世界
(Camera Obscura and World of Illusions)
という、
・だまし絵
・いろいろなカメラ
を楽しめる施設に行ったさいに
そこの熱画像カメラ(サーモグラフィー)
において胸が熱を帯びていることに気付き、
ネットの情報で
熱画像カメラ(サーモグラフィー)と乳がんの関連を指摘する記事に出会い
病院に行ったことで初期の乳がんに気付けた
というものであった。
専門家の意見としては
熱画像カメラ(サーモグラフィー)では
乳がんは検出できない
と言われているが…
論文などを探してみると
実際に検討しているものを見つけた。
A survey of breast cancer screening techniques:
thermography and electrical impedance tomography.
という論文をみてみると、
A survey of breast cancer screening techniques:
〇体温変化は血流の増加(血管新生、炎症、その他)によって起こる。
〇熱画像カメラ(サーモグラフィー)は
偽陽性(本当はがんではないが、がん疑いになる)が多く
正確性に劣る
〇しかし、機械学習などの進歩によって、
マンモグラフィーの限界を超える可能性はある
thermography and electrical impedance tomography.
とあります。
がんが出来る時に、
そこに血管が集まるので、
血管が集まることに伴った体温上昇を検出した
と考えると、
今回のケースも
熱画像カメラ(サーモグラフィー)で
乳の温度の異常を検出し、
それによって
乳がんを疑って、
その後の検査で検出できた例と考えられるため、
専門家の言っていた、
「熱画像カメラ(サーモグラフィー)で
乳がんは発見できない」
というのは言い過ぎではないかと思われる。
まとめ
今はまだ、熱画像カメラ(サーモグラフィー)は
マンモグラフィーに比べると診断の
精度が落ちるようではあるが、
今後の研究次第では、
サーモグラフィーが乳がんの検査として、
マンモグラフィーにとって代わる可能性もあるし、
両方を併用することで、より正確な診断に使える可能性は
十分に考えられると思います。